美しく、堂々と、咲く花、すべてに。「パートナーシップ証明」を受けたカップルのラブストーリー


世田谷区のパートナーシップ宣誓書受領証第1号を交付された、モンキー高野さんと高島由美子さんカップル(写真は親指、人差し指、小指を立て、中指と薬指を折る「I Love You」を表すハンドサイン)。今回はお二人の出会いからパートナーシップ証明を受けるまでの道のりをうかがった。

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18年の同居生活を経て、「他人」から「家族」になるまで
モンキー高野さんと高島由美子さんは、FtMとパンセクシュアル(パンセクシュアル=恋愛や性愛の対象の性別を問わない人)のカップル。高野さんはろう者で、ろう者の社会的地位向上を目的としたグループ「手話フレンズ」の代表を務めており、高島さんは手話通訳の仕事をしている。
20年近く前、友人の紹介で知り合った2人は、やがて高野さんの大好きな街・下北沢の近くで、一緒に暮らすようになった。
「部屋探しは大変でした。『耳が不自由だと、火災などに気づきにくいのではないか』といった理由から、ろう者に部屋を貸したがらない大家さんが多かったんです。最終的には、知り合いの親戚が経営するアパートに入居することになりました」
と高野さん。その後、世田谷区内で2度引っ越し、現在は高野さんが購入したマンションに住んでいる。
「最初は『他人と暮らしている』感覚があったんですが、一緒に生活しているうちに、いつの間にか家族になっていました。相手の『地雷』がだんだんわかってきて、ケンカもしなくなりましたね」と、高島さんは笑う。
なお、2人は年に2回、必ず一緒に海外に行く。文化がまったく異なる国で、協力しあって困難を乗り越えるうちに、関係がいったん初期化され、絆がより深まるという。

 

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パートナシップ証明書
(クリックで拡大)

世田谷区に「パートナーシップ宣誓書」を提出
2015年11月5日、2人は世田谷区にパートナーシップ宣誓書を提出し、受領証第1号を交付された。交付式には取材陣がつめかけ、2人の姿やコメントが、その日のニュースや新聞に流れた。
ろう者のLGBTの存在は、まだあまり知られておらず、孤独感に苛まれている当事者も少なくない。2人がメディアへの顔出しをOKしたのは、「LGBTにもいろいろな人がいることを伝えたい」と考えたためだったが、フリーで仕事をしている高島さんには「契約を切られてしまうかもしれない」との不安もあった。
「当日の朝まで迷っていたんですが、ニュースを見た取引先の社長さんが祝福してくださって、ホッとしました。また母からは『おめでとう! よかったね。でも、びっくりしました』という電話がかかってきました(笑)」
LGBT当事者からは「自分たちの代わりに(メディアに)出てくれてありがとう」「『私もこの人たちと同じだよ』と親にカミングアウトすることができました」とのメッセージも届いたという。
なお、JALとANAに受領証のコピーを送ったところ、マイレージの家族プログラムが適用されることになった。現時点ではほかに、生活面での大きな変化はないが、高野さんにはいくつか、期待していることがある。
「自分はよく怪我をするんですが、手術を受ける際、ラーちゃん(高島さん)に同意書へのサインをしてもらえるようになったら、とても助かります。今までは、わざわざ実家の母親を呼ばなければならなかったので。それから、海外旅行の際の出入国書類も、(家族として)1枚にまとめて書けるようになると嬉しいですね」

記事協力:エスムラルダ/ライター

2016-06-24 | Posted in パートナーシップNo Comments » 

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